【書籍】コミュニティマネジメント

中央経済社。コミュニティに関するさまざまな用語の定義づけがしっかりされており、教科書としてとても良い本。
「自治会はどこまでできるのか」(横浜市下和泉住宅自治会)や地域の居場所「芝の家」など、具体例も豊富。
ちなみに、この自治会では、バスを走らせたり、高齢者のための送迎用車の運行、自治会館を私募債で建替え常駐スタッフの配置など、私が理想とする形だ。
一方の「芝の家」は港区支所と慶応大学との連携で始まったとのことで、現在では年1万人の来場者、赤ちゃんから80代のお年寄りまで多様な世代が訪れては、おしゃべりをしたりお茶を飲んだりと好き好きに過ごしている。ここで知り合った同士が新たな活動を始めることもあるとかで、これもまた地域の居場所の理想形といえ、私のやりたかったことではある。

自分にとってすごくヒントになったのは、地域の居場所には3つの類型があると定義づけしたこと。
①コミュニティカフェ型②コミュニティケア型③コワーキングスペース型と、3類型が考えられ、
①は、交流やつながり形成を目的とする空間で新しいタイプ。交流については、特定の世代に特化するのではなく、地域の多世代の住民に開かれた関係性を志向する場
(芝の家、シェア奥沢、こまじいのうち、港南台タウンカフェなどが紹介されている)
②は、高齢者・若者・障害者・子育てなどをそもそものテーマとする拠点で、いってみれば従来からあるタイプ
③は、新しい活動を生み出す拠点

私が手掛けたことはいわずもがなの①なのですが、この本の中でも「新しいタイプ」と書かれているとおり、まだまだなじみの薄いタイプ、一方の②はテーマごととも呼べる内容であり、従来からある形であるため分かりやすい。実際、例の美浜区地域活性化支援事業でも採択されたものの多くはこの形であり、かつ私が、磯辺某所にて、場所の利用を拒絶されたときも、そこの担当者は②の形態しかありえないといったご主張をされていた。そのくらいなじみの薄い概念である。

最後に、この本の中に書かれていた「まちの居場所」の特徴について載せておきます。

「まちの居場所」の11の特徴
①訪れやすい
②多様な過ごし方ができる
③多機能である
④多様な人の多様な活動に触れられる
⑤自分らしく居られる
⑥社会的関係が作り出される
⑦参加できる場がある
⑧キーパーソンがいる
⑨柔軟である
⑩地域との接点がもたらされる
⑪物語が蓄積されている

以上、こうした概念がもっともっと広まっていきますように。